ISO9001:2015改訂速報
ISO9001:2015の最新情報をお届けします。
品質マネジメントの国際規格 ISO9001 が2015年9月に、7年ぶりに改正される予定です。
ISO規格は日々進化する技術革新や時代に即したニーズに対応するため、定期的(原則は5年ごと)に見直されることになっています。
本サイトでは、ISO9001の改訂に関する最新情報、改訂スケジュール及び2008年版からの主な変更点についてご紹介します。
目次
1. ISO9001:2015 最新情報
2. ISO9001:2015年版への移行について
3. 改正のポイント & ISO9001:2008とISO/DIS9001:2014の変更点
4. ISO/DIS 9001:2014の構成
5. ISO/FDIS 9001:2015の構成(2015年8月6日 追加)
6. 推奨される改訂対応とは
7. ISO9001:2015改訂速報セミナー(無料)のご案内
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2015年版の品質マニュアル(基本規程)、追加・改訂された要求事項の対応のための文例集が付いた、2015年版への改訂対応をご準備される担当者および責任者向け、「ISO9001:2015 移行実践コース(文例集付き)」の提供を開始しました。
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1. ISO9001:2015 最新情報
(2015年11月30日 追記)2015年11月20日に、JIS Q 9001:2015が発行されました。
(2015年9月15日 追記)2015年9月15日に、ISO9001:2015が発行されました。
(2015年7月9日 追記)2015年7月9日に、FDISが発行され、ステージ 50.20(FDIS投票の開始)へ進みました。2か月間の投票を経て、9月にはISO9001:2015が発行される見通しです。
(2015年5月7日 追記)2015年5月5日に、ステージ50.00(正式承認のためにFDIS を登録)へ進みました。7月には、FDIS投票が開始、9月にはISO9001:2015が発行される見通しです。
2015年2月17日ステージ40.99(DISからFDISとしての登録を承認)へ進みました。
※最新情報は、ISOのWebサイト(英語)からご確認いただけます。
ISO9001:2015発行までのスケジュール(予定)
- 2015年7月9日 最終国際規格原案(FDIS)発行(2ヶ月間投票)
- 2015年8月20日頃 JIS Q 9001:2015原案の意見受付公告開始
- 2015年9月23日頃 ISO 9001:2015発行
- 2015年11月20日頃 JIS Q 9001:2015発行(12月に遅延の可能性あり)
2. ISO9001:2015年版への移行について
ISO9001の認証組織は、ISO9001:2015が発行された後、3年以内に移行審査を受審する必要があることが、2015年1月にIAFから発表されました。
まだ先の話ですが、移行期限までにISO9001:2015の適合性が確認できなかった場合は、ISO9001:2008に基づき認証を受けた既存の認証証は無効となります。
3. 改正のポイント & ISO9001:2008とISO/DIS9001:2014の変更点
今回の改正では、トップマネジメント(経営者)のマネジメントシステム運用へのより強いリーダーシップ、 マネジメントシステム運用の目的、顧客等の外部との関係性、自社内の課題を含む組織の事業環境の明確化、組織の事業環境に応じた取組み内容の決定及び実施などの点が強調されています。
ISO9001:2008から、ISO/DIS9001への主な変更点は、以下のとおりです。
- 附属書SLで規定される「上位構造/HLS(ハイレベルストラクチャー)」が適用された(※1)
- プロセスアプローチの理解とリスクに基づく考え方についての要求事項が追加された
- 規範的な要求事項が削減された
- 文書化要求が柔軟になった
- サービス業に適用しやすくなった
- QMS の境界を決定しなければならなくなった
- 組織の状況が強調された
- リーダーシップが強化された
- 顧客満足度を改善するために期待される成果を達成することが強調された
附属書SLとは、マネジメントシステムの枠組みを定義するもので、「規格作成者向けのルールブック」のことです。
附属書SLは、2012年5月に発行され、マネジメント規格を作成/改定する場合は、この附属書SLを使用して、規格を策定しなければならないことになりました。これにより、それぞれの規格が、この附属書SLに基づき策定されることで、企業は、効果的かつ効率的な方法で複数のマネジメントシステムを統合することが可能になるでしょう。
▶▶詳細は、コラム「Annex SLとは」をご参照ください◀◀
4. ISO/DIS 9001:2014の要求事項の構成
Plan (計画) |
|
---|---|
4 組織の状況 | |
4.1 組織及びその状況の理解 | |
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 | |
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 | |
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス | |
5 リーダーシップ | |
5.1 リーダーシップ及びコミットメント | 5.1.1 品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメント |
5.2 品質方針 | |
5.3 組織の役割、責任及び権限 | |
6 計画 | |
6.1 リスク及び機会への取組み | |
6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 | |
6.3 変更の計画 | |
7 支援 | |
7.1 資源 | |
7.1.1 一般 | |
7.1.2 人々 | |
7.1.3 インフラストラクチャー | |
7.1.4 プロセスの運用に関する環境 | |
7.1.5 監視用及び測定用の資源 | |
7.1.6 組織の知識 | |
7.2 力量 | |
7.3 認識 | |
7.4 コミュニケーション | |
7.5 文書化した情報 | |
7.5.1 一般 | |
7.5.2 作成及び更新 | |
Do (実施) |
|
8 運用 | |
8.1 運用の計画及び管理 | |
8.2 製品及びサービスに関する要求事項の決定 | |
8.2.1 顧客とのコミュニケーション | |
8.2.2 製品及びサービスに関連する要求事項のレビュー | |
8.2.3 顧客要求事項のレビュー | |
8.3 製品及びサービスの設計・開発 | |
8.3.1 一般 | |
8.3.2 設計・開発の計画 | |
8.3.3 設計・開発のインプット | |
8.3.4 設計・開発の管理 | |
8.3.5 設計・開発からのアウトプット | |
8.3.6 設計・開発からの変更 | |
8.4 外部から提供される製品及びサービスの管理 | |
8.4.1 一般 | |
8.4.2 外部からの提供の管理の方式及び程度 | |
8.4.3 外部提供者に対する情報 | |
8.5 製造及びサービス提供 | |
8.5.1 製品及びサービス提供の管理 | |
8.5.2 製品及びトレーサビリティ | |
8.5.3 顧客又は外部提供者の所有物 | |
8.5.4 保存 | |
8.5.5 引渡し後の活動 | |
8.5.6 変更の管理 | |
8.6 製品及びサービスのリリース | |
8.7 不適合なプロセスアウトプット、製品及びサービスの管理 | |
Check (チェック) |
|
9 パフォーマンス評価 | |
9.1 監視、測定、分析及び評価 | |
9.1.1 一般 | |
9.1.2 顧客満足 | |
9.1.3 分析及び評価 | |
9.2 内部監査 | |
9.3 マネジメントレビュー | |
Act (処置・改善) |
|
10 改善 | |
10.1 一般 | |
10.2 不適合及び是正処置 | |
10.3 継続的改善 |
5. ISO/FDIS 9001:2015の要求事項の構成(2015年8月6日追記)
Plan (計画) |
|
---|---|
4 組織の状況 | |
4.1 組織及びその状況の理解 | |
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 | |
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 | |
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス | |
5 リーダーシップ | |
5.1 リーダーシップ及びコミットメント | |
5.1.1 一般 | |
5.1.2 顧客重視 | |
5.2 方針 | |
5.2.1 品質方針の策定 | |
5.2.2 品質方針の伝達 | |
5.3 組織の役割、責任及び権限 | |
6 計画 | |
6.1 リスク及び機会への取組み | |
6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 | |
6.3 変更の計画 | |
7 支援 | |
7.1 資源 | |
7.1.1 一般 | |
7.1.2 人々 | |
7.1.3 インフラストラクチャ | |
7.1.4 プロセスの運用に関する環境 | |
7.1.5 監視及び測定のための資源 | |
7.1.6 組織の知識 | |
7.2 力量 | |
7.3 認識 | |
7.4 コミュニケーション | |
7.5 文書化した情報 | |
7.5.1 一般 | |
7.5.2 作成及び更新 | |
7.5.3 文書化した情報の管理 | |
Do (実施) |
|
8 運用 | |
8.1 運用の計画及び管理 | |
8.2 製品及びサービスの要求事項 | |
8.2.1 顧客とのコミュニケーション | |
8.2.2 製品及びサービスに関連する要求事項の明確化 | |
8.2.3 製品及びサービスに関連する要求事項のレビュー | |
8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更 | |
8.3 製品及びサービスの設計・開発 | |
8.3.1 一般 | |
8.3.2 設計・開発の計画 | |
8.3.3 設計・開発へのインプット | |
8.3.4 設計・開発の管理 | |
8.3.5 設計・開発からのアウトプット | |
8.3.6 設計・開発からの変更 | |
8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理 | |
8.4.1 一般 | |
8.4.2 管理の方式及び程度 | |
8.4.3 外部提供者に対する情報 | |
8.5 製造及びサービス提供 | |
8.5.1 製品及びサービス提供の管理 | |
8.5.2 識別及びトレーサビリティ | |
8.5.3 顧客又は外部提供者の所有物 | |
8.5.4 保存 | |
8.5.5 引渡し後の活動 | |
8.5.6 変更の管理 | |
8.6 製品及びサービスのリリース | |
8.7 不適合なアウトプットの管理 | |
Check (チェック) |
|
9 パフォーマンス評価 | |
9.1 監視、測定、分析及び評価 | |
9.1.1 一般 | |
9.1.2 顧客満足 | |
9.1.3 分析及び評価 | |
9.2 内部監査 | |
9.3 マネジメントレビュー | |
9.3.1 一般 | |
9.3.2 マネジメントレビューへのインプット | |
9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット | |
Act (処置・改善) |
|
10 改善 | |
10.1 一般 | |
10.2 不適合及び是正処置 | |
10.3 継続的改善 |
6. 推奨される改訂対応とは
IAFは、ISO9001:2008を使用する組織に対して、以下を実施することを推奨しています。
- 新しい要求事項を満たすために必要なギャップを特定すること
- 実行計画を策定すること
- 組織の有効性に影響を与える全ての要員に対する教育を実施すること
- 品質マネジメントシステムの更新と有効性を検証すること
- 該当する場合は、認証機関と移行のための手配に関する連絡をとること
7. ISO9001:2015改訂速報セミナー(無料)のご案内
TWS総合研究所では、FDIS発行され次第、ISO9001:2015改訂速報セミナー(無料)を開催いたします。
開催のご案内をご希望の方は、お問い合わせフォーム(メールマガジン配信登録)にてご登録ください。
8. 研修コースのご案内
ISO9001:2015 移行実践コース(文例集付き)
ISO9001:2015 品質マネジメントシステム(QMS)内部監査員コース
【IAF】http://www.iaf.nu/
【ISO】http://www.iso.org/iso/iso9001_revision
【Technical Committee】http://isotc.iso.org/livelink/livelink/open/tc176SC2public