アクサ生命保険株式会社様(本社:東京都港区)が、保険金・給付金支払い、契約保全、保険料収納、新契約成立、コール顧客対応、資産運用を含む基幹業務に関する事業継続マネジメントシステムで国内生保業界初のISO22301の認証取得に成功されました。
認証取得のきっかけ
今井部長様:
東日本大震災を契機に、当社ではCEO直轄の下、危機管理・事業継続部門を新設、会社全体の事業継続体制を抜本的に見直してきました。その一環として、重要業務のバックアップ体制強化とオペレーションの首都圏一極集中回避のため、2014年11月に札幌本社を設立、東京の本社機能を一部移転し、重要業務の分散体制を確立しました。
この札幌本社の開設は当社にとって大きなリスク低減となったわけですが、改めて第三者の視点から当社が進めてきた事業継続体制を評価いただき、他社と比べて当社はどのレベルにいるのか、今後更なる対策が必要な箇所はどこなのかを整理・把握するため、今回ISO22301(BCMS)認証の取得を決めました。
構築にあたり
危機管理・事業継続部 井口様:
最初の内は規格要求事項の理解にも苦労しましたが、一番大変だったのはドキュメントの整備です。今回新しく作成するもの、既存のマニュアルの見直しも含めると約60ものドキュメント整備が必要でした。これだけの数のドキュメントを整備できたのは、コンサルタントの打川様の丁寧で迅速なサポートのおかげだと思っております。
危機管理・事業継続部 中川原様:
認証の第二段階審査では、審査員の方が実際に札幌本社を訪れ、各部署へのヒアリングや現地視察を行いました。札幌本社に常駐する私もヒアリングを受けましたが、第三者の目から改善点をフィードバックして頂き、札幌本社の事業継続体制を今後さらに発展させていく上で非常に参考になりました。また、第二段階審査の準備活動や各部署へのヒアリングを通じて、社内のBCMに対するアウェアネスも更に高まりました。
危機管理・事業継続部 吉田様:
私は約1年にわたる打川様とのミーティングや頂いたアドバイスを通して、“事業継続”の考え方を体系的に習得できたことが大きな収穫でした。「事業継続上の優先業務は何か?」を議論した時には、改めて生命保険会社が社会に対して負っている責任を考えさせられました。
今後の展開
今井部長様:
東日本大震災の後、福岡のバックアップサイトを撤退させ、2014年11月に札幌本社を設立、今回ISO認証を取得しました。そして2015年6月には札幌で株式会社ビッグ様、イオン北海道株式会社様と災害時連携協定の基本合意に至りました。短期間で社内外たくさんの方に支えられ、多くのことに取り組んできましたが、私たちのBCPはまだまだ道半ばです。ISO認証の取得はある意味スタートラインとなります。会社の状況をよく理解し、事業影響度分析とリスクアセスメントに基づきBCPを策定、演習によってその効果を測定し、パフォーマンス評価を行って継続的に改善していく・・・このBCMSサイクルの繰り返しこそ事業継続体制をより強固なものにする手段です。今後も会社全体でこのサイクルをきちんとまわしていきます。
2015年の秋には東京と札幌で全社を挙げた“BCP全社総合演習”を計画しています。これまでは重要業務を持つ部署を中心にBCPの演習を実施してきましたが、今後はそれ以外の部署にも積極的に演習に参画してもらう方針です。社員一人一人の事業継続に対する意識をさらに高めていき、平時だけでなく有事の際も含めてお客様のことを常に考える“カスタマーセントリシティ”を強化していきたいと思います。